2026-08-05
「預金なら安心」——多くの方がそう感じています。数字が減らないのだから当然ですよね。でも、ものの値段が上がり続けるいまの時代、その"安心"には見落としがあるかもしれません。
(所要時間:約5分)
この記事では、インフレとお金の関係、そしてそれが企業型DC(401k)とどうつながるのかを、順番に整理していきます。
預金の残高そのものは減りません。100万円は、1年後も100万円のままです。変わるのは「そのお金で買えるものの量」です。
ものの値段(物価)が上がると、同じ100万円で買えるものは少しずつ減っていきます。これがインフレ(インフレーション)と呼ばれる状態です。たとえば、物価が1年に2%ずつ上がっていくと、預金はこう変化します。
| 預金残高 (額面) | 実質的な価値 (買えるものの量) | |
|---|---|---|
| いま | 100万円 | 100万円分 |
| 5年後 | 100万円 | 約90万円分 |
| 10年後 | 100万円 | 約82万円分 |
| 20年後 | 100万円 | 約67万円分 |
※物価が年2%ずつ上がった場合の概算です。
数字は1円も減っていないのに、“実質的な価値”は年々目減りしていく——これが、預金だけに置いておくときの“静かな目減り”です。
「預金にも利息がつくのでは?」と思われるかもしれません。たしかに利息はつきますが、普通預金の金利はごくわずかです。物価が上がるペースに金利が追いつかないと、差し引きでは“実質マイナス”になってしまいます。
額面上は減りません。ですが、物価が上がる局面では“買える量”が目減りします。「減らない」ことと「価値が保たれている」ことは、実は別の話なのです。
※物価や金利の動きは景気の状況などによって変わります。ここでの数値は仕組みを説明するための一例です。
とはいえ、すべてのお金を投資に回す必要はありません。すぐ使う予定のお金や、もしもの時の備えは、預金で安全に確保しておくのが基本です。
そのうえで、当分使う予定のない「長い目で育てるお金」は、物価上昇に負けにくいよう、一部を運用に回すという選択肢があります。考え方のポイントは3つです。
※運用には価格変動などのリスクがあり、元本が保証されるものではありません。目的や使う時期に合わせて、無理のない範囲で考えることが大切です。
そして実は、毎月の掛金が自動で積み立てられる企業型DC(401k)は、この「長期・分散・積立」を仕組みとして続けやすい制度です。一方で気をつけたいのが、運用商品が「元本確保型(定期預金など)」のままになっているケース。安全に見えても、物価が上がる局面では、預金と同じように実質的な価値が目減りしていく可能性があります。
この夏、ご自身のDCの“中身”がどうなっているか、加入者サイトで一度のぞいてみませんか。それが、インフレに負けないお金づくりの第一歩になります。