
「投資は怖い」そんな風に感じている人はまだまだ多いようです。
2024年1月からNISAの制度が大きく変わり、口座を開く人も増えました。
ところが7月に日経平均株価が最高値を更新、そして8月には過去最高の下げ幅で暴落というニュースが流れると、せっかく始めた積立てを止めてしまう人が続出したという話を聞きました。
なぜ、そんな事が起こってしまうのでしょう。
投資には、一番の大きな敵が存在します。
それは人間の「感情」です。「恐怖」と「欲望」という感情によって、私達は投資においてはやってはいけない逆の行動に走ってしまうのです。
なぜ株価が下がると積み立てをやめてしまうのか
多くの人が株価の暴落時に積み立てをやめてしまうのは、次のような心の動きが関係しているからです。
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損失回避の心理: 人は利益を得る喜びよりも、損失を被る苦痛をより大きく感じます。
「これ以上資産が減るのを見たくない」という強い感情が働き、積み立てを止めるという行動に走ってしまいます。 -
恐怖とパニック: ニュースで「暴落」という言葉を目にすると、「このまま資産がゼロになるかもしれない」という漠然とした恐怖に襲われます。このパニック心理が、「安くなったときに買う」という冷静な行動を妨げ、「これ以上損する前に逃げたい」という衝動的な行動を引き起こします。
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群集心理: 周囲の人が「損をした」「積み立てを止めた」といった話をしているのを聞くと、「自分もそうすべきだ」という心理が働き、本来の計画とは異なる行動をとってしまうことがあります。
みなさん、バーゲンセールはお好きですか?
欲しかったものが、安く買えるバーゲン。私も大好きです。
投資の世界のバーゲンセールは株価の暴落時です。
でも、どうでしょう。先程の例にもあるように、人は株価が下がると「もっと下がるのではないか・・・。このまま資産がゼロになってしまうのではないか・・・。」と恐怖の感情に囚われてしまいます。
そして、これ以上下がる前にやめよう!という誤った選択をしてしまいがちです。
逆に、株価が上昇している時に、「もっと上がるのではないか?どんどん上がるから買わないと!」と欲望の感情に囚われて、高い買い物をすることになります。
高い買い物をして、安くなった時に手放してしまう。こんな事を繰り返していたら資産は増えませんね。
投資が上手くいかない人は、このような事を繰り返しています。
皆さんの加入している確定拠出年金制度は、一度積立てを始めたら、基本的に60歳以降までは積立てをストップすることは出来ません。
(育児休業中や介護休業中など、無給になっている期間を除きます。)
積み立て投資が感情に左右されない理由
確定拠出年金制度が、感情的な誤った行動から私たちを守ってくれます。
積み立て投資の最大のメリットは、「時間の分散」と「積み立ての自動化」にあります。
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ドルコスト平均法: 毎月決まった日に、決まった金額を淡々と積み立てることで、価格が高いときには少しだけ買い、価格が安いときにはたくさん買うことになります。これを継続すると、購入単価が平準化され、結果として感情に左右されることなく、資産を効率的に増やすことが期待できます。
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強制的な継続: 確定拠出年金のように、途中で簡単に積み立てを止められない仕組みは、「株価が下がったからやめよう」という感情的な判断を排除し、淡々と長期投資を続けることを助けてくれます
ただし、確定拠出年金には落とし穴も!
感情に左右されないことが魅力の確定拠出年金制度ですが、逆を言えば「バーゲンセールにたくさん買いたい」ということが叶わないというデメリットもあります。
- ボーナスが入った
- 保険を見直したらお金が戻ってきた
- 思いがけない臨時収入があった
など、まとまった資金を投資(一括投資)が確定拠出年金制度では出来ません。
そんな時にお勧めなのがNISAです。
NISAの成長投資枠は年間240万円まで、一括投資が出来ます。
バーゲンセールの活用に、NISA口座を作っておきましょう!